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真宗大辞典

2010/01/26(火)
 第十八願十方衆生第十九願第二十願十方衆生は異なるということを、エントリー“生因三願の「十方衆生」についての考察”にて、述べましたが、まだ分かっていない人がおられるようですので、『真宗大辞典』(永田文昌堂)の「十方衆生」の項の説明を引きます。

 四十八願中の第十八・第十九・第二十の三願には十方衆生とある。十方世界に棲息する無数の生類を総称して十方衆生という。即ち人類・天衆・禽獣・虫・魚等を総括してかく呼んだのである。第十九・第二十の両願には共に十方衆生とあって、広く一切衆生を救わんと譬える如くなれども、立願の精神を究れば、第十九願は修諸功徳に堪えて至心に発願し往生せんと願う者に限り、第二十願は植諸徳本に堪えて至心に回向し願生する者に限る故に、漏らす所多々あれども、第十八願は十方衆生智愚善悪を問わず修行の堪不を論ぜず、皆ひとしく全く仏力にて救わんとする誓願なるが故に、一の衆生として漏るることがない。そこで第十八願の十方衆生の言は一衆生をも漏らすことなくその意が至極広いが、第十九・第二十の十方衆生の語は漏らす所多きが故に、その意は狭いとする。


 引用は以上です。
 さらに、別の言い方をしましょう。

 第十八願には「唯除五逆誹謗正法」とあります。これは「抑止門(抑止文)」の意と言われていますが、抑止する必要があるからこのように言われているのです。
 もし、第十八・第十九・第二十の三願の十方衆生が同じ意味ならば、三願ともに「唯除五逆誹謗正法」となければならないのです。ところが、第十九願第二十願にはありません。必要が無いからです。
 『真宗大辞典』の「第十九願は修諸功徳に堪えて至心に発願し往生せんと願う者に限り、第二十願は植諸徳本に堪えて至心に回向し願生する者に限る」というのが、このことを表わします。
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