加茂仰順師『真宗の信心』より

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2009/11/12(木)
 真宗の信心は、お浄土へ参らしていただけるほどの広大なものであるから、しっかり聞いて、まちがいないという決定の信のえられるまで聞くのである
といえば、無茶苦茶になる。

 とても広大な信であるから、真剣に聞くのである、たとえ聞いても一遍には出来ないから、永い間聞いて、お助けのこころがいただかれたのが信心決定である
といえば、これはまちがいである。

 相対の私から絶対へは求めることは出来ないが、絶対から相対の者へは自由自在に救うことが出来る。これが真宗の立場である。

 しかしその絶対は私には分からないから、それをあらわすために名号となられたのである。これが成就法といわれる弥陀の法である。つまり修徳顕現されたのである。私はこの成就された法に救われてゆくのである。ご開山様はこのことを『ご本典』の上で、「他力」と「一乗の法」の説明をされてある。その中で他力は「易」の至極をあらわされ、「一乗」の法は法の勝れたことをあらわしてこの尊い法に助けられてゆくことを、つまり、私の計らいの一点も加わらない不作の法、無義為義の法をあらわしたもうのである。だからあら心得やすといえるのである。つまり私が浄土へ参らせていただく徳が成就された法に救われるから、私の思いを否定され、転成されるはたらきを持つのが名号法である。

 私に知らすために、絶対の方が御名とあらわれて下されたのであるから、私がこれを称えられうるような易行ではない。それを聞き損なって、私が称えることが出来る念仏と思い、願えるお浄土と思う。凡夫のための為凡の法を同凡の法にして、凡夫の私に出来る法としてしもうたのである。聞き損ないもはなはだしい。

 当流は、如来の仰せの聞こえたのである。聞こえたとは計らわれたこと、それを如来のおこころのいただかれたという。私の計らいがとられて、如来の計らいに計らわれてしもうたのである。これを往生が定まったというのである。

 如来に計らわれた身の上にされたことが、救われたのである。

 ご開山様は、法然聖人の念仏と示されたことについて、多くの誤りが出来たので、信心往生の己証を立てられたのである。その信心も如来の仰せに随順したとなるから、その信心を無疑とあらわされて、計らいのとられたところの無疑で示されたのである。安心しようの心がとられてしまったのである。それが如来のお慈悲の聞こえたのである。安心しようの心は分別心、計らい心である。聞いて疑いをとろうとすることが計らいである。実は疑心のない法を聞かせていただくから疑心がないのである。聞こえたのが無疑である。

 我が否定されて無我のさとりを開くのが縁起の法である。聖道門は絶対の法がうつるのであるが、弥陀法は、相対のすがたとしてあらわれたのである。金塊が金の獅子になったのである。金の獅子であるが金の価値は少しも無くなっていない。それが分からないから、信じて、称えて、ときばるのである。信じて称えてではない。計らいがとられて呼び声に助けられるのである。信心というと、聞いてまちがいないと思うことのようになるから、真宗では計らいにとられたという無疑で示されるのである。

 だからこれを要約すれば、私の上にまちがいないという決定心が出来たのではない。もし私の上にまちがいのないというものが出来たとすれば、それは計らいがかたまったのである。それは絶対の法をつかまえたことになる。如来にまかしたのでない。つかんだのである。これが出来ても、往生は出来ない。

 聞いて疑いが晴れたというのではない。家へ帰ってみると、それでもという疑いが出る。疑いは不審ではない。分別心である。疑いとは、どうだろうか、こうだろうかの心で、猶予の心である。若存若亡はこれである。ところがまちがいないという決定心が出来たのではない。これは分別心がかたまったのである。いずれも計らいである。絶対の法をつかまえたことになる。これ、如来にまかしたのでない。つかんだのである。これでは往生は出来ない。

 当流は疑いのない、さわりのない法を聞かせてもらうのが聞信の一念である。疑心のない法の聞こえたところに、計らいの疑心のない法の聞こえたところに、計らいの疑心がとれてしまう。相対の気持ちで計らっていた、その計らいがとれた、それが疑いのとれたのである。聞いたからとれたのでない。つかもうとする気分が如来にとられたのである。弥陀に負かされたのである。私の疑いを晴らそうとして聞いたのではない。信じたというも、信じられんというも、共に法が聞こえてない。私からの思いを満足されるのではない。如来からのお救いである。相対的な分別心(疑い心)で如来のものをとろうとするところにあやまりがある。
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